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“Change the Rule!” presents…

TOC makes you HAPPY!?
      workshop
Change the Rule!(CTR)の紹介

   DevLOVEの創始者、@papandaさんが立ち上げたい
    くつかの勉強会の一つ。



    名前の由来は、「チェンジ・ザ・ルール!」という
    書籍から。
   TOC/CCPMをメインに、TOCなことを発表し合ったり
    してます。
   わりとゆるふわな感じ。
   Google グループがあるので、
    チェンジ・ザ・ルール!     グループ検索
本日の内容

50分しか持ち時間がないのに、二部制です…

   第一部
    “雲”を使った問題解決ワークショップ


   第二部
    TOCの本質とGoldrattの信念
20101218 DevLOVE HangerFlight:TOC makes you HAPPY!? 第一部
いちおう、自己紹介

   やまさきかずのり(@ymkz303)

   (株)jig.jpでプロマネやってたり、チームリーダだっ
    たり、開発者だったりします。

   TOC/CCPMスペシャリスト(ゴール・システム・コンサルティング認定)
   認定スクラムマスター
   DevLOVEの運営スタッフでもあるのですが、今日は
    CTRの人としてここにいます。

            よろしくお願いします
質問1

         TOC
(Theory Of Constraints:
    制約条件の理論)
  をご存じの方、挙手!
質問2

TOCをやったことがある方、
      挙手!

  Ex)CCPM、思考プロセス、DBR…
TOCとは?
今日はこれを使います



               B
                           D
            相手が望んでい
                         現在の行動
              ること

    A
 目的、ゴール

               C
                           D‟
            自分が望んでい
                        とりたい行動
              ること


今日の目的:これで、あなたの抱えている問題の解決にやくだてたい!
仮の“目的(ゴール)”の設定

    問題を考え安くするため、
       仮のゴールを、
   今日はこのように設定します。
あなたの“問題”は?

「価値のある人生を送る」
  を実現する上で、
  あなたが抱えている
仕事上の問題はなんですか?
“問題”を行動に

   “問題”を生み出している行動を、現在進行形の具
    体的表現にしてください。たとえば…

   仕事に対するモチベーションが低い
     ⇒なぜ?:仕事に対してやらされ感があるんだよな…
     ⇒「受け身で仕事をする」

   家庭内がギクシャクしている
     ⇒なぜ?:嫁の機嫌が悪いんだよなあ…
     ⇒なぜ?:仕事とか勉強会とかでほぼ毎晩帰りが遅いし…
     ⇒「毎晩のように遅い時間に帰る」
“行動”をチェック

   簡潔に、文章になっている?
    ⇒単語だけだと、なんのことかわからない
   自分で解決可能?
    ⇒物理法則とかはどうしようもない
   本当に存在する?思い込みじゃない?
    ⇒事実でないなら解決しない
   それは本当によくないこと?
    ⇒自分がどう痛みを感じているか説明できるか
   複数の内容が含まれていない?
    ⇒○○なので××している、な感じではない
ソロワーク

   「価値のある人生を送る」上で、あなたが抱えてい
    る“問題”を、ひとつ以上、書き出してください。

   その“問題” を引き起こしている具体的な行動を考え
    て、書き出してください。

   書き出した“行動”の内容を、前ページの観点で
    チェックしてみてください。
共有タイム!

   あなたの“問題”と具体的行動を、
    グループ内で共有しましょう。
   自己紹介とかもここで!
   共有できたら、今日解き明かす問
    題をグループ内で“ひとつ”選ん
    でください。
“問題”ってなんだろう?

   一般的に、“問題”は“ありたい姿”と“現実”のギャッ
    プとして説明されます。
   一方、“対立”“ジレンマ”は、 問題に対して取れる同
    時には両立しない、どちらをとっても何らかの不利
    益がある(またはそう思い込んでいる)二つの行動のど
    ちらかを取らなければいけない状態を表します。
   つまり、“問題”は、「とりたい行動」と「現実に
    とっている、とらされている行動」の“対立”“ジレン
    マ”と言い換えることができます。
   ジレンマの解決方法として“妥協”がありますが、こ
    れをすると結果的にどちらか(または両方)の要望も満
    たさない、 “Win-Lose”“Lose-Lose”の状況となって
    しまいます。
ふせんに書く



         D
  毎晩のように
 遅い時間に帰る
どういう行動をしたい?

   本当は、どういう行動を取ればいいと思いますか?
   (D)の行動の元となる問題を起こさないためには、動
    向どうすればいいと思いますか?

   「仕事に対するモチベーションが低い」
    ⇒「受け身で仕事」をしたくないんだよなあ…
    ⇒「主体的に仕事をする」

   「家庭内がギクシャクしている」
    ⇒「毎晩帰りが遅い」からなあ…
    ⇒「できるだけ早く帰る」

    ※「(D)しない」という行動はNG!
ふせんに書く



        D‟
 できるだけ早く
    帰る
“対立”をチェック
                                    D
   DとD’の二つの行動は、ジレンマ、対       毎晩のように
    立している行動ですか?              遅い時間に帰る
   まったく正反対な行動ですか?
   同時にできない行動ですか?
   どうして同時にできないんでしょう
    か?どうしてどちらか一方しか選べ
    ないんでしょうか。                      D‟
                             できるだけ早く
                                帰る

      •遅く帰りつつ、早く帰ることはできない。
      •早く帰れる日なら、勉強会に行きたい。
グループワークその2


   現実に取っている行動(D)に対する取
                                  D
    りたい行動(D’)はなんでしょうか?     毎晩のように
                           遅い時間に帰る
   (D)と(D’)が、本当に対立しています
    か?

   (時間があれば)どうして同時にできな
    いか、どちらか一方しかできないか             D‟
    を考えてみてください。            できるだけ早く
                              帰る
どうしてそんな“行動”を?

“行動”の元になっている“要望”を考えます。
 (B)どうして、そんな行動(D)を取っているんですか?
 (B)するためには、(D)する必要がある。
  それはどうしてですか?


           会社内での立場をよくする必要がある。
           勉強会に行かないといけない。
           勉強会がない日にはたくさん仕事をこな
           さないといけない。


       B                              D
自分のスキルを                         毎晩のように
 高め続ける                          遅い時間に帰る
どうしてそんな“行動”を?

“行動”の元になっている“要望”を考えます。
 どうして、そんな行動(D’)を取りたいですか?
 (D’)ができないことで、何が犠牲になっていますか?
 (C)するためには、(D’)する必要がある。
  それはどうしてですか?
         関係を良好に保つためには、たくさん会
         話することが必要。
         遅く帰ると満足に話もできない。先に寝
         たりしてるし。
         夕食は一緒に取りたい。


         C                          D‟
家庭を良好に                        できるだけ早く
 保ち続ける                           帰る
どうしてそうありたいんだろう?

     目的(A)を達成するために(B)でありたい必要があるの
      は、どうしてですか?
     目的(A)を達成するために(C)でありたい必要があるの
      は、どうしてですか?
よりやりがいのある仕事ができる。
より多くの収入を得るには、継続的に力をつ
けていく必要がある。                        B
                           自分のスキルを
                            高め続ける
          A
  価値のある
  人生を送る
                                  C
家庭は唯一無二の存在。                家庭を良好に
パートナーの理解と協力なしには、よい人生
など送れない。                     保ち続ける
“雲”を作って読み合わせよう

   Aであるためには、Bである必要がある。なぜなら…
   Bであるためには、Dする必要がある。なぜなら…
   Aであるためには、Cである必要がある。なぜなら…
   Cであるためには、D’する必要がある。なぜなら…



                     B            D
              自分のスキルを      毎晩のように
               高め続ける       遅い時間に帰る
     A
価値のある
人生を送る
                    C            D‟
               家庭を良好に      できるだけ早く
               保ち続ける          帰る
“目的”の見直し

   読み合わせてみて、しっくりくるかどうかを確認し
    ます。
   仮に設定した“目的”を見直します。
   もっと具体的な目的がよければ、書き換えてくださ
    い。
   そのままでしっくりくるなら、そのままでも大丈夫
    です。
グループワークその3-1

   (D)と(D’)それぞれ、どういう望みがあってそういう
    行動をしている/したいか、考えてみてください。
   (B)と(C)それぞれ、目的(A)を達成するためにどうし
    てそうありたいのか、考えてみてください。

                     B             D
              自分のスキルを     毎晩のように
               高め続ける      遅い時間に帰る
     A
価値のある
人生を送る
                   C            D‟
              家庭を良好に      できるだけ早く
              保ち続ける          帰る
グループワークその3-2

   組み合わせて“雲”を作り、読み合わせてみてしっく
    りくるかどうかを確認してください。
   “目的”がこれでよいかを見直してください。
   完成した“雲”を共有・発表しましょう!
                              なぜなら


     なぜなら                B                    D
                  自分のスキルを              毎晩のように
                   高め続ける               遅い時間に帰る
     A      Aであるためには、Bである必要がある。なぜなら…
価値のある       Bであるためには、Dする必要がある。なぜなら…
人生を送る       Aであるためには、Cである必要がある。なぜなら…
            Cであるためには、D‟する必要がある。なぜなら…
                       C                     D‟
                  家庭を良好に               できるだけ早く
     なぜなら         保ち続ける                   帰る

                              なぜなら
“対立”を解消する

   ここまで、 “雲”を使って“問題”の“対立”の構造を考
    えてきました。
   TOCでは、 “目的・ゴール”が同じであれば、本来対
    立は存在せず、その原因は誤った仮定・思い込み(ア
    サンプション)にあると考えます。
   これまで作ってきた“雲”は、対立の構造に根付く
    誤った仮定・思い込みを明らかにし、その解消を助
    けるツールです。
   そして、その対立は必ず解消できます。
“対立”の構図を見直そう

    よく見ると、(B)と(C)は、(A)を実現するための必要
     条件であり、それ自体は対立していません。
    ここに存在する対立は、(B)×(D’)、(C)×(D)、
     (D)×(D’)の3つしかありません。
    それぞれの対立が発生している原因には、何らかの
     仮定・思い込みがあるはずです。
                      B             D
               自分のスキルを     毎晩のように
                高め続ける      遅い時間に帰る
         A
    価値のある
    人生を送る
                     C           D‟
                家庭を良好に     できるだけ早く
                保ち続ける         帰る
“雲”を蒸発させるには?

            相・自・時・妙
                  ©岸良祐司

    相手の要望を尊重する。取りたい行動(D„)で、相手が望んでいること
相   (B)を満たすことができないか?

    自分の要望を尊重する。取っている行動(D)で、自分の望むこと(C)を
自   満たすことはできないか?

    時と場合によって、(D)と(D„)のどちらかの行動を取ることで、相手
時   と自分が望むこと両方を満たせないか?

    妙案。(D)と(D„)は、本当に両立、同時に行うことができないか?
妙   (B)と(C)の要望を満たす、(D)と(D„)以外の何か別のやり方はないか?
【相】相手の要望(B)を尊重する

   (D’)すると、どうして(B)ができないと思いますか?
    ⇒「思い込み」を導き出す
   (D’)をしつつ、(B)を満たす方法は本当にないです
    か?⇒「解決策」を導き出す

                    B             D
             自分のスキルを     毎晩のように
              高め続ける      遅い時間に帰る
       A
 価値のある
仮定・思い込み
 人生を送る

                    C          D‟
              家庭を良好に     できるだけ早く
              保ち続ける        帰る
【自】自分の要望(C)を尊重する

   (D)すると、どうして(C)ができないと思いますか?
    ⇒「思い込み」を導き出す
   (D)をしつつ、(C)を満たす方法は本当にないですか?
    ⇒「解決策」を導き出す
                    B          D
             自分のスキルを     毎晩のように
              高め続ける      遅い時間に帰る
       A
 価値のある
仮定・思い込み
 人生を送る

                   C          D‟
             家庭を良好に     できるだけ早く
             保ち続ける        帰る
【時】時と場合によって

   (D)と(D’)はどういう時に対立しますか?
    ⇒ 「思い込み」を導き出す
   あるときは(D)、あるときは(D’)というルールで両立
    はできませんか?
     ⇒「解決策」を導き出す
                    B             D
             自分のスキルを     毎晩のように
              高め続ける      遅い時間に帰る
       A
 価値のある
仮定・思い込み
 人生を送る

                    C          D‟
              家庭を良好に     できるだけ早く
              保ち続ける        帰る
【妙】妙案ひらめき

   (B)と(C)が両立できないと思っているのはなぜですか?
    ⇒「思い込み」を導き出す
   (B)と(C)を両立させる方法は本当にないですか?
    ⇒「解決策」を導き出す
                    B          D
             自分のスキルを     毎晩のように
              高め続ける      遅い時間に帰る
        A
価値のある
人生を送る
                          妙案
                   C          D‟
             家庭を良好に     できるだけ早く
             保ち続ける        帰る
解決策を検討する
矢印   仮定          解決策          どうやって行うか      メリット

相    毎晩早く帰ると、ス   早く帰ってもスキルを   家庭でも勉強会に参加し   パートナーと過ごす
     キルを上げる機会が   上げる方法を考える。   ているような環境を整え   時間が増える。
     なくなるから。                  る。


自    毎晩遅く帰ると、    遅く帰っても、パート   毎晩遅く帰ることを納得   勉強会の参加数を減
     パートナーの機嫌が   ナーが不快に感じない   させる。          らさなくて済む。
     悪くなるから。     方法を考える。


時    勉強会がないとき、   勉強会がないときは、 勉強会に参加する曜日を、 家庭の対話と勉強会
     出られないときは、   早く帰るようにする。 あらかじめ決めておく。 のバランスがとれる。
     仕事が詰まっている   毎日勉強会を入れない。 いつでも定時で帰れるよ 心がけることで、仕
     ときだから。                  うに仕事をする。    事の効率も上がる。

妙    自分を高めることの   自分の家で勉強会をす   勉強会の主催者になる。   勉強会に参加しつつ、
     価値は、パートナー   る。           パートナーも興味を持て   対話の時間も増える。
     には理解できないか   勉強会にパートナーと   る勉強会を選ぶ、作る。   話題のネタも増える。
     ら。          参加する。
Goldrattの信念

   ものごとは、そもそもシンプルである。
    人は、ものごと、問題を複雑に考えようとします。現実世界で巻き起
    こるあまたの問題は、実はすべて因果関係で結ばれており、その根底
    となる原因にはごく少数の“対立”が存在します。
   対立は、必ず解消できる。
    目的が同じならば、本来対立は存在しないはず。対立の原因は、誤っ
    た仮定や思い込みにあります。
   相手のせいにしても、問題は解消しない。
    対立構造にあるとき、人は相手のせいにしたがります。相手を責める
    と、あるはずのすばらしい解決策を見過ごすばかりか、物事を誤った
    方向に導いてしまいます(これまでの例でいうと、「離婚」とか)。


“雲”は問題の対立構造を明確にして、問題解決の手助けをします
20101218 DevLOVE HangerFlight:TOC makes you HAPPY!? 第一部

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中小企業大学校・仙台校、2日間講義ワークショップ【業務改革のためのアイデア発想ひきだし術】
 
横浜アイデアワークショップ(2012年12月23日)
横浜アイデアワークショップ(2012年12月23日)横浜アイデアワークショップ(2012年12月23日)
横浜アイデアワークショップ(2012年12月23日)
 

20101218 DevLOVE HangerFlight:TOC makes you HAPPY!? 第一部

  • 1. “Change the Rule!” presents… TOC makes you HAPPY!? workshop
  • 2. Change the Rule!(CTR)の紹介  DevLOVEの創始者、@papandaさんが立ち上げたい くつかの勉強会の一つ。 名前の由来は、「チェンジ・ザ・ルール!」という 書籍から。  TOC/CCPMをメインに、TOCなことを発表し合ったり してます。  わりとゆるふわな感じ。  Google グループがあるので、 チェンジ・ザ・ルール! グループ検索
  • 3. 本日の内容 50分しか持ち時間がないのに、二部制です…  第一部 “雲”を使った問題解決ワークショップ  第二部 TOCの本質とGoldrattの信念
  • 5. いちおう、自己紹介  やまさきかずのり(@ymkz303)  (株)jig.jpでプロマネやってたり、チームリーダだっ たり、開発者だったりします。  TOC/CCPMスペシャリスト(ゴール・システム・コンサルティング認定)  認定スクラムマスター  DevLOVEの運営スタッフでもあるのですが、今日は CTRの人としてここにいます。 よろしくお願いします
  • 6. 質問1 TOC (Theory Of Constraints: 制約条件の理論) をご存じの方、挙手!
  • 7. 質問2 TOCをやったことがある方、 挙手! Ex)CCPM、思考プロセス、DBR…
  • 9. 今日はこれを使います B D 相手が望んでい 現在の行動 ること A 目的、ゴール C D‟ 自分が望んでい とりたい行動 ること 今日の目的:これで、あなたの抱えている問題の解決にやくだてたい!
  • 10. 仮の“目的(ゴール)”の設定 問題を考え安くするため、 仮のゴールを、 今日はこのように設定します。
  • 11. あなたの“問題”は? 「価値のある人生を送る」 を実現する上で、 あなたが抱えている 仕事上の問題はなんですか?
  • 12. “問題”を行動に  “問題”を生み出している行動を、現在進行形の具 体的表現にしてください。たとえば…  仕事に対するモチベーションが低い ⇒なぜ?:仕事に対してやらされ感があるんだよな… ⇒「受け身で仕事をする」  家庭内がギクシャクしている ⇒なぜ?:嫁の機嫌が悪いんだよなあ… ⇒なぜ?:仕事とか勉強会とかでほぼ毎晩帰りが遅いし… ⇒「毎晩のように遅い時間に帰る」
  • 13. “行動”をチェック  簡潔に、文章になっている? ⇒単語だけだと、なんのことかわからない  自分で解決可能? ⇒物理法則とかはどうしようもない  本当に存在する?思い込みじゃない? ⇒事実でないなら解決しない  それは本当によくないこと? ⇒自分がどう痛みを感じているか説明できるか  複数の内容が含まれていない? ⇒○○なので××している、な感じではない
  • 14. ソロワーク  「価値のある人生を送る」上で、あなたが抱えてい る“問題”を、ひとつ以上、書き出してください。  その“問題” を引き起こしている具体的な行動を考え て、書き出してください。  書き出した“行動”の内容を、前ページの観点で チェックしてみてください。
  • 15. 共有タイム!  あなたの“問題”と具体的行動を、 グループ内で共有しましょう。  自己紹介とかもここで!  共有できたら、今日解き明かす問 題をグループ内で“ひとつ”選ん でください。
  • 16. “問題”ってなんだろう?  一般的に、“問題”は“ありたい姿”と“現実”のギャッ プとして説明されます。  一方、“対立”“ジレンマ”は、 問題に対して取れる同 時には両立しない、どちらをとっても何らかの不利 益がある(またはそう思い込んでいる)二つの行動のど ちらかを取らなければいけない状態を表します。  つまり、“問題”は、「とりたい行動」と「現実に とっている、とらされている行動」の“対立”“ジレン マ”と言い換えることができます。  ジレンマの解決方法として“妥協”がありますが、こ れをすると結果的にどちらか(または両方)の要望も満 たさない、 “Win-Lose”“Lose-Lose”の状況となって しまいます。
  • 17. ふせんに書く D 毎晩のように 遅い時間に帰る
  • 18. どういう行動をしたい?  本当は、どういう行動を取ればいいと思いますか?  (D)の行動の元となる問題を起こさないためには、動 向どうすればいいと思いますか?  「仕事に対するモチベーションが低い」 ⇒「受け身で仕事」をしたくないんだよなあ… ⇒「主体的に仕事をする」  「家庭内がギクシャクしている」 ⇒「毎晩帰りが遅い」からなあ… ⇒「できるだけ早く帰る」 ※「(D)しない」という行動はNG!
  • 19. ふせんに書く D‟ できるだけ早く 帰る
  • 20. “対立”をチェック D  DとD’の二つの行動は、ジレンマ、対 毎晩のように 立している行動ですか? 遅い時間に帰る  まったく正反対な行動ですか?  同時にできない行動ですか?  どうして同時にできないんでしょう か?どうしてどちらか一方しか選べ ないんでしょうか。 D‟ できるだけ早く 帰る •遅く帰りつつ、早く帰ることはできない。 •早く帰れる日なら、勉強会に行きたい。
  • 21. グループワークその2  現実に取っている行動(D)に対する取 D りたい行動(D’)はなんでしょうか? 毎晩のように 遅い時間に帰る  (D)と(D’)が、本当に対立しています か?  (時間があれば)どうして同時にできな いか、どちらか一方しかできないか D‟ を考えてみてください。 できるだけ早く 帰る
  • 22. どうしてそんな“行動”を? “行動”の元になっている“要望”を考えます。  (B)どうして、そんな行動(D)を取っているんですか?  (B)するためには、(D)する必要がある。 それはどうしてですか? 会社内での立場をよくする必要がある。 勉強会に行かないといけない。 勉強会がない日にはたくさん仕事をこな さないといけない。 B D 自分のスキルを 毎晩のように 高め続ける 遅い時間に帰る
  • 23. どうしてそんな“行動”を? “行動”の元になっている“要望”を考えます。  どうして、そんな行動(D’)を取りたいですか?  (D’)ができないことで、何が犠牲になっていますか?  (C)するためには、(D’)する必要がある。 それはどうしてですか? 関係を良好に保つためには、たくさん会 話することが必要。 遅く帰ると満足に話もできない。先に寝 たりしてるし。 夕食は一緒に取りたい。 C D‟ 家庭を良好に できるだけ早く 保ち続ける 帰る
  • 24. どうしてそうありたいんだろう?  目的(A)を達成するために(B)でありたい必要があるの は、どうしてですか?  目的(A)を達成するために(C)でありたい必要があるの は、どうしてですか? よりやりがいのある仕事ができる。 より多くの収入を得るには、継続的に力をつ けていく必要がある。 B 自分のスキルを 高め続ける A 価値のある 人生を送る C 家庭は唯一無二の存在。 家庭を良好に パートナーの理解と協力なしには、よい人生 など送れない。 保ち続ける
  • 25. “雲”を作って読み合わせよう  Aであるためには、Bである必要がある。なぜなら…  Bであるためには、Dする必要がある。なぜなら…  Aであるためには、Cである必要がある。なぜなら…  Cであるためには、D’する必要がある。なぜなら… B D 自分のスキルを 毎晩のように 高め続ける 遅い時間に帰る A 価値のある 人生を送る C D‟ 家庭を良好に できるだけ早く 保ち続ける 帰る
  • 26. “目的”の見直し  読み合わせてみて、しっくりくるかどうかを確認し ます。  仮に設定した“目的”を見直します。  もっと具体的な目的がよければ、書き換えてくださ い。  そのままでしっくりくるなら、そのままでも大丈夫 です。
  • 27. グループワークその3-1  (D)と(D’)それぞれ、どういう望みがあってそういう 行動をしている/したいか、考えてみてください。  (B)と(C)それぞれ、目的(A)を達成するためにどうし てそうありたいのか、考えてみてください。 B D 自分のスキルを 毎晩のように 高め続ける 遅い時間に帰る A 価値のある 人生を送る C D‟ 家庭を良好に できるだけ早く 保ち続ける 帰る
  • 28. グループワークその3-2  組み合わせて“雲”を作り、読み合わせてみてしっく りくるかどうかを確認してください。  “目的”がこれでよいかを見直してください。  完成した“雲”を共有・発表しましょう! なぜなら なぜなら B D 自分のスキルを 毎晩のように 高め続ける 遅い時間に帰る A Aであるためには、Bである必要がある。なぜなら… 価値のある Bであるためには、Dする必要がある。なぜなら… 人生を送る Aであるためには、Cである必要がある。なぜなら… Cであるためには、D‟する必要がある。なぜなら… C D‟ 家庭を良好に できるだけ早く なぜなら 保ち続ける 帰る なぜなら
  • 29. “対立”を解消する  ここまで、 “雲”を使って“問題”の“対立”の構造を考 えてきました。  TOCでは、 “目的・ゴール”が同じであれば、本来対 立は存在せず、その原因は誤った仮定・思い込み(ア サンプション)にあると考えます。  これまで作ってきた“雲”は、対立の構造に根付く 誤った仮定・思い込みを明らかにし、その解消を助 けるツールです。  そして、その対立は必ず解消できます。
  • 30. “対立”の構図を見直そう  よく見ると、(B)と(C)は、(A)を実現するための必要 条件であり、それ自体は対立していません。  ここに存在する対立は、(B)×(D’)、(C)×(D)、 (D)×(D’)の3つしかありません。  それぞれの対立が発生している原因には、何らかの 仮定・思い込みがあるはずです。 B D 自分のスキルを 毎晩のように 高め続ける 遅い時間に帰る A 価値のある 人生を送る C D‟ 家庭を良好に できるだけ早く 保ち続ける 帰る
  • 31. “雲”を蒸発させるには? 相・自・時・妙 ©岸良祐司 相手の要望を尊重する。取りたい行動(D„)で、相手が望んでいること 相 (B)を満たすことができないか? 自分の要望を尊重する。取っている行動(D)で、自分の望むこと(C)を 自 満たすことはできないか? 時と場合によって、(D)と(D„)のどちらかの行動を取ることで、相手 時 と自分が望むこと両方を満たせないか? 妙案。(D)と(D„)は、本当に両立、同時に行うことができないか? 妙 (B)と(C)の要望を満たす、(D)と(D„)以外の何か別のやり方はないか?
  • 32. 【相】相手の要望(B)を尊重する  (D’)すると、どうして(B)ができないと思いますか? ⇒「思い込み」を導き出す  (D’)をしつつ、(B)を満たす方法は本当にないです か?⇒「解決策」を導き出す B D 自分のスキルを 毎晩のように 高め続ける 遅い時間に帰る A 価値のある 仮定・思い込み 人生を送る C D‟ 家庭を良好に できるだけ早く 保ち続ける 帰る
  • 33. 【自】自分の要望(C)を尊重する  (D)すると、どうして(C)ができないと思いますか? ⇒「思い込み」を導き出す  (D)をしつつ、(C)を満たす方法は本当にないですか? ⇒「解決策」を導き出す B D 自分のスキルを 毎晩のように 高め続ける 遅い時間に帰る A 価値のある 仮定・思い込み 人生を送る C D‟ 家庭を良好に できるだけ早く 保ち続ける 帰る
  • 34. 【時】時と場合によって  (D)と(D’)はどういう時に対立しますか? ⇒ 「思い込み」を導き出す  あるときは(D)、あるときは(D’)というルールで両立 はできませんか? ⇒「解決策」を導き出す B D 自分のスキルを 毎晩のように 高め続ける 遅い時間に帰る A 価値のある 仮定・思い込み 人生を送る C D‟ 家庭を良好に できるだけ早く 保ち続ける 帰る
  • 35. 【妙】妙案ひらめき  (B)と(C)が両立できないと思っているのはなぜですか? ⇒「思い込み」を導き出す  (B)と(C)を両立させる方法は本当にないですか? ⇒「解決策」を導き出す B D 自分のスキルを 毎晩のように 高め続ける 遅い時間に帰る A 価値のある 人生を送る 妙案 C D‟ 家庭を良好に できるだけ早く 保ち続ける 帰る
  • 36. 解決策を検討する 矢印 仮定 解決策 どうやって行うか メリット 相 毎晩早く帰ると、ス 早く帰ってもスキルを 家庭でも勉強会に参加し パートナーと過ごす キルを上げる機会が 上げる方法を考える。 ているような環境を整え 時間が増える。 なくなるから。 る。 自 毎晩遅く帰ると、 遅く帰っても、パート 毎晩遅く帰ることを納得 勉強会の参加数を減 パートナーの機嫌が ナーが不快に感じない させる。 らさなくて済む。 悪くなるから。 方法を考える。 時 勉強会がないとき、 勉強会がないときは、 勉強会に参加する曜日を、 家庭の対話と勉強会 出られないときは、 早く帰るようにする。 あらかじめ決めておく。 のバランスがとれる。 仕事が詰まっている 毎日勉強会を入れない。 いつでも定時で帰れるよ 心がけることで、仕 ときだから。 うに仕事をする。 事の効率も上がる。 妙 自分を高めることの 自分の家で勉強会をす 勉強会の主催者になる。 勉強会に参加しつつ、 価値は、パートナー る。 パートナーも興味を持て 対話の時間も増える。 には理解できないか 勉強会にパートナーと る勉強会を選ぶ、作る。 話題のネタも増える。 ら。 参加する。
  • 37. Goldrattの信念  ものごとは、そもそもシンプルである。 人は、ものごと、問題を複雑に考えようとします。現実世界で巻き起 こるあまたの問題は、実はすべて因果関係で結ばれており、その根底 となる原因にはごく少数の“対立”が存在します。  対立は、必ず解消できる。 目的が同じならば、本来対立は存在しないはず。対立の原因は、誤っ た仮定や思い込みにあります。  相手のせいにしても、問題は解消しない。 対立構造にあるとき、人は相手のせいにしたがります。相手を責める と、あるはずのすばらしい解決策を見過ごすばかりか、物事を誤った 方向に導いてしまいます(これまでの例でいうと、「離婚」とか)。 “雲”は問題の対立構造を明確にして、問題解決の手助けをします