エラーハンドリングモデル考察

エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 ( 2011-09-04 )

導入自分なりにエラーハンドリングまわりについていろいろ考察した内容をまとめてみました。エラーハンドリングを制することは間違いなくプログラミングを制するのに必要不可欠な要素ですので、エラーハンドリングそのものについての理解を深めていきましょう！エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 2

前回の発表以前、「Boost.勉強会 #3 関西」でも「エラーハンドリング」というタイトルで発表しました。主張が変わってるところなどがありますが、よろしかったらそちらもご参照ください。 PPTX版:http://www.trickpalace.net/paper/error.handling.pptx PDF版:http://www.trickpalace.net/paper/error.handling.pdf slidesharehttp://www.slideshare.net/wraith13/ss-7987895 エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 3

トピックエラーとは？エラー情報モデル人間系エラーハンドリング未検知エラーエラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 4

この発表で「エラー」について全般的に抽象的な話なので、抽象的且つ広義な意味でのエラーをさします。エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 5

エラーとは？エラーハンドリングモデル考察

そもそもエラーとは？エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 7

そもそもエラーとは？「なんらかの不整合」エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 8

エラーハンドリングの目的エラーが「なんらかの不整合」であるとするとエラーハンドリングの目的は次のようなものだと言える。不整合を正す、あるいは正された状態に近づける。不整合を記録あるいは通知する。人間系をシステムの一部と見なす場合、これは目的ではなく前項を果たす為の手段と言える。エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 9

エラー情報モデルエラーハンドリングモデル考察

エラー情報モデルどのようにエラー情報を扱うかはエラーハンドリングの肝の一つです。さまざまなエラー情報モデルについて考えてみましょう。エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 11

エラー情報モデル voidエラーモデル unitエラーモデル singleエラーモデル stackエラーモデル/nestエラーモデル listエラーモデル treeエラーモデルエラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 12

エラー情報モデル voidエラーモデルエラーをそもそも検知すらしないモデル。結果として問題が発生した場合には暴走などといった事態を招きやすい。実例：Z80アセンブラエラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 13

エラー情報モデル unitエラーモデルエラーを検知はするがその情報を扱わないモデル。検知により処理を中断するのみ。実例：Icon言語エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 14

エラー情報モデル singleエラーモデルエラーを検知しその情報を同時にひとつのエラーについてのみ扱うモデル。現状、もっとも一般的だと思われるモデル。実例：86系アセンブラ、Win32API エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 15

エラー情報モデル stackエラーモデル/nestエラーモデルエラーを検知しその情報を必要に応じて入れ子にして扱うモデル。 singleエラーモデルを拡張したものと言え、一般的に言語/システムの機能ではなくライブラリで実現される。実例：Java,C#,C++11 エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 16

エラー情報モデル listエラーモデルエラーを検知し必要に応じてその情報をリストで扱う。エラーが発生したままの状態でも処理の継続が可能なモデル。実例：各種コンパイラエラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 17

エラー情報モデル treeエラーモデルエラーを検知しその情報を必要に応じてtreeで扱うモデル。 stackエラーモデル/nestエラーモデルとlistエラーモデルのハイブリッド。実例：trickerr.h ( C++ ) エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 18

人間系エラーハンドリングエラーハンドリングモデル考察

人間系エラーハンドリング仮に人間系もシステムの一部と見なした場合、それはどのようなものであるべきか考えてみましょう？エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 20

人間系エラーハンドリングシステム的な視点での人間の意味は次のようなものとなります。大本の呼び出し元関数。割り込みイベントの発生元のひとつ。末端の呼び出し先関数。 ->関数およびイベントと見なせる。エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 21

人間系エラーハンドリング人間系の関数の特徴非常に動作が重い。グローバル変数(リソース)にアクセスしまくり。失敗がすることがある。( 誤操作、誤認、誤判断 ) ->関数としては最悪ですね。エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 22

人間系エラーハンドリング人間系が呼び出し元関数であるならばエラー情報を受け付けるべき。プログラム全体もひとつの関数であるという視点に立って、内部の関数がそうであるようにエラーをありのまま返すべき。エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 23

人間系エラーハンドリング人間系が末端の呼び出し先関数であるならばエラー情報を返せるべき。人間系もひとつの関数であるという視点に立って、プログラム内の関数がそうであるようにエラーを返し得るという前提に立つべき。エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 24

人間系エラーハンドリング実際に人間系関数はどのようなエラーを返すのか？例：エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 25 キャンセルタイムアウト一時停止サスペンド終了ヘルプバグレポートサポートリクエスト

人間系エラーハンドリングこれらのエラーは常に人間が返せるようになっているべき。特にバグレポートやサポートリクエストはシステムとして用意しておくことで、より詳細な情報取得が可能になり、デバッグやサポートの役に立つことでしょう。エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 26

未検知エラーエラーハンドリングモデル考察

未検知エラーシステム的にエラーはエラーとして検知されて初めてエラーとなります。これは言い換えると本来エラーであるべき状態であってもエラーを検知するコードが不十分な為にエラーとして認識されない状態があることになります。エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 28

未検知エラー実害があるとは限らないですが、未検知エラーは全てバグと言えます。「疑わしきはエラー」とする視点に立つとプログラムは常にエラー状態にあるとも言えます。エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 29

未検知エラー未検知エラーへの対処として人間系関数がエラーを返すことで問題を軽減できる可能性がある。 ->未検知エラーへの対処の一環として、本来、システム系しか返すことの無いハズのエラーも人間系関数から返せるようにするのも面白いかも？エラーハンドリングモデル考察エラーハンドリング勉強会 30

質疑応答エラーハンドリングモデル考察

ご清聴ありがとうございました。エラーハンドリングモデル考察

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